事前の見積もり積算や、法律に基づいた設計であることを証明する「設計図」とは異なり、
「建築施工図」とは、実際に建築現場でも使用する、宅地の細かい寸法や
あらゆる角度からの図面が記載された、いわば建築のためのマニュアルです。
ここでは、住宅建築における施工図を書く上で必要なスキル、
そしてマスターしておきたいCADの種類などを詳しく解説していきます。
施工図を書く仕事がしたい方は、まずここからスタートしましょう。

施工図を書くのに必要なスキルは?

施工図を書くためにはどんなスキルが必要になるのでしょうか。
まず必要となるのが、設計図を読めるスキルです。
もちろん、ただ単に読むのではなく、記載されている内容、専門的な言葉や、
ひいては設計ミスや落ち度まで見抜ける能力が必要です。
次に、建築・工事に関しての知識も必要となります。
建築計画が持ち上がって、建物が完成するまでには、仮設事務所などの準備工事、
山留・根切工事、基礎工事、鉄骨工事、鉄筋・型枠工事、外装仕上げ工事、
内装仕上げ工事、外構工事といったように、非常にたくさんの工事が必要となります。
当然、工事は職人が行うのですが、工事の時期や手順に関しての知識は
ある程度持っておいた方が良いのは言わずもがなです。

いつ、どんな工事を行うのか把握していないと、どのタイミングでどんな図面が必要になるか、
ということ自体もわからないからです。
また、建築材料についての知識も同様です。
設計図にはどこにどんな材料を使うのかが記されていますが、
材料ごとの特徴、施工をする際の注意点に関してなど、
こまごまとした情報は施工図頼りとなってしまいます。
そして、何より最重要項目ですが、CADを操作するスキルは外せません。
現在はどんな図面も手描きではなくCADによって作図されるため、必須項目となります。
次項では、押さえておきたいCADの種類について触れていきます。

施工図を書くのに覚えたいCADの種類は?

次に、施工図を書く上で覚えておきたいCADの種類について触れていきましょう。
建築業界においては、AutodeskのAutoCADが最もポピュラーな存在です。
シェア率が高い=ニーズが高いというのはもちろんのこと、共有できる情報が多いため、
さまざまな講座・ワークショップでも教材として用いられているので、
教科書がたくさんあるため、マスターしやすいです。

価格もイラストレーターやフォトショップといった描画系ソフトに比べれば
さほど高いというわけではありませんので、これから覚えようと思っている方にはお勧めです。
また、「Jw_cad」というフリーソフトもあります。
試してみたいという方は、これから覚えるのもありでしょう。
他にも、「123D Design」をはじめとした3D CADが普及しつつあります。
これからどんどん広まりつつある分野であるため、ひとつのスキルとしてマスターしておくと、
仕事の幅が広がるので最初は遊びながらでも良いので触っておくことをおすすめします。