同じ図面でも、設計図と施工図ではまったく違います。
設計図は依頼者や工事関係者など、広い範囲の人に見てもらうための図面です。
確認申請や役所に提出するのも設計図です。
それに対して施工図は、工事関係者のみが見る図面です。

現場では設計図はあまり役に立ちません。細かなところがわからないからです。
施工図は現場の職人がそれを見て、工事ができるように作図します。
特に資格は要らないものの、現場の知識やCADのスキルが必要となります。

施工図を書くのに必要な条件は?

施工図を書くのに必要な条件は、設計図を読みこなすことができこと、現場の知識があることです。
設計図に何が書いてあるのか、どんな法的規制がかけられているのかを判断することが必要です。
設計図の縮尺は平面詳細図で1/50、断面詳細図で1/30程度です。
部分詳細は1/10程度のものもありますが、現場で使えるものではありません。
設計図の段階では仕様のみが決められ、メーカーの実際の製品が指定されることはありません。
現場の段階では、どのメーカーのどの製品を使うかが決まってきます。
それを元に、現場で実際に施工するために書かれるのが施工図です。
図面の縮尺は原寸や1/2程度の大きなものも使われます。
そのため、現場で行われる実際の工事について知っていることが必要です。
現場では、材料や製品が寸分たがわず納まる必要があります。
寸法に対する繊細な感覚も必要です。現代は図面をパソコンで書く時代です。
パソコン上で図面を書く、CADソフトのスキルは必須です。
実際に施工する職人が、見てわかる図面を書くことが要求されます。

施工図を書くのに必要な資格は?

施工図を書くのに必要な資格はありませんが、取得しておくと役に立つ資格はあります。
建築士や建築施工管理技士は、技術的な知識を得るために役立ちます。
CADに関する資格も、スキルを習得するという意味において役に立ちます。
特に必要な資格がないということは、実際に図面を書くスキルが要求されるということです。
施工図は見ていても覚えられるものではありません。実際に書いてみることが必要です。
施工図が書けるようになるには、工務店や工事関連会社で図面作成の経験を積むことです。
特に学歴も関係なく、実務能力のみが問われます。
工事現場は職人の数が少なく、人手不足の状態にあります。
施工図の技術者も、経験ある技術者が少ないことから人手不足です。
経験を積んで一人前の技術者になれば、仕事に困ることはありません。現代はITの時代です。
CADを使いこなせることはもちろん、異なるCADを使用している関係者間での
図面のデータ交換などのスキルも求められます。

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