設計が出来上がり実際に建物を建築するに当たっては様々な工程が必要になります。
設計図のとおりに全てが出来上がるわけではなく、
途中で様々な変更が加わって最終的に出来上がった内容を記したのが竣工図ですが、
建物の建設工程で必要になる様々な作業には多くの職種がかかわることとなり、
それらの各職種が各種作業をスムーズに進めてゆくために必要となる書類が施工図です。
施工図は基本設計を基に作られた実施設計図などから作成されることとなります。

竣工図とは?

建物の建設に当たっては設計図を基に工事を進めてゆくことになるのですが、
実際に工事が始まってから設計を変更するというケースは決して珍しいものではありません。
工事の途中で行われる設計変更などを基に設計図を修正し、
実際に行われた変更内容も含め出来上がった建物を正確に表した図面が竣工図です。
設計図と実際に完成した建物とが完全に一致するということはむしろ少なく、
その中でも配管や電気設備の配線などに関しては工事中に様々な変更が加わることがあります。

出来上がった建物を将来修繕したりリフォームしたりするときに最も重要な資料となるのは竣工図で、
竣工図がきちんと保管されているかどうかで将来のリフォームの際の
手間やコストが変わってくることも十分に考えられます。
竣工図は建て主から要望しなければもらえないこともあるため、
建物が出来上がって引渡しの際には必ず入手して、
将来のためにもきちんと保管しておくようにすることが大切です。

竣工図と施工図の違いは?

竣工図が出来上がった建物の最終的な内容を記した書類であるのに対し、
施工図というのは設計をベースにして工事を開始し、出来上がるまでの各工程を
スムーズに進めてゆくためのいわば翻訳書のような役割をするものという違いが有ります。
設計図を基準として各工事の種類、各工程に携わる職種に対して
必要な情報をわかりやすく伝えるためのものになります。
施工者が実際の建物の施工に当たって品質やコスト、安全や環境、工程などの
検討を行うために必要なものであり、下請事業者や職人に対し適切な指示を出したり
情報を共有するためにも必ず必要になるものです。
施工図には実施設計から最終的な仕上げ部分を作業するための平面詳細図、
構造部分にあたる鉄骨や鉄筋コンクリートなどの骨組みに関する作業をするための躯体図、
各設備機器の配備作業を行うための総合図などの種類があります。

たとえばプラモデルを作る際にどの作業工程をどんな風に行えばよいかが記された書類である
説明書に当たるのが施工図ということになります。